殺戮都市

奈央さんや新崎さんなら、俺を納得させてくれると思っていた。


「私は……何も言えないわ。率先して殺したくないって言うなら、自分の身を守る為だけに殺せば良いと思う」


そう言って差し出した手。


俺は……その言葉に納得出来たわけじゃない。


でも、いつまでも俺のわがままで、奈央さんに反抗していられないから。


その手を握って、再び歩き出した俺達。


奈央さんがこうやって手を繋いでくれるのも、俺がバカな事をしないようにしているんだろうな。


殺さなきゃならない時に殺さなくて、さっきみたいにピンチに陥らないようにと。


路地を歩き、東軍の男が隠れていた場所を通り過ぎてさらに歩く。


筋違いの大通り。


それが近付き、ソウルがなくなった人達の死体が見え始めた。


そんなに多いわけじゃないけど、ここから飛び出した所を狙われたのだろうな。


心は深く沈んでいるのに、そういう考えだけは出来る自分が嫌だ。


ビルとビルの間から見えた人の脚。


それが、少しずつ動いている。


まだ生きているのだろう。


助けるべきか、殺すべきか……。


あんな事があってもまだ、殺す事をためらっている俺は何なのだろう。