「で、でかい……」
顔は間違いなくポーンやナイトと同じ物。
だけど、その身体はまるで城壁のような装甲を纏っていて、明らかに今までの敵とは桁違いだというのが、見た目から分かる。
動きは遅い。
ズシンズシンと鳴り響く地鳴りが、こいつの足音だと分かったけれど。
足を一歩出すのに数秒掛かっている。
これなら逃げ切れるかもしれない。
そう思って、周囲を見回して逃げようとしたけど……どういうわけか、逃げろと言ったおっさんが槍を構えて巨大な怪物を睨んでいたのだ。
「見付かった……明美さん、避難が完了するまで、僕がなんとか食い止める。早く屋内への避難を!」
「な、何やってんだよおっさん!」
「真治くん、キミも早く!怪物は、建物を破壊してまで人間を殺そうとはしない!外にいる人間だけを狙うんだ!」
おっさんの言葉で、俺は今までの怪物の行動を思い返した。
そう言えば……北軍で、ナイトの群れに追われて中川の隠れ家に逃げ込んだ時も、あの怪物達なら容易に建物を破壊出来ただろうに、それをしなかった。
なぜだかは分からないけれど、それがルールなのか。



