殺戮都市

明美さんと俺、睨み合いがしばらく続いた。


それは、お互いに協力するつもりは一切ないという事。


この人を誘ってバベルの塔に行っても、いつ背後から斬られるか分からないという不安が強くて。


誘いたくはなかった。


それならおっさんを誘った方が何百倍もマシってもんだ。


そんな事を考えながら明美さんを見ていると……。
















「オオオオオオオッ!!」
















近くから……何かサイレンのような音と共に、地鳴りのようなものが聞こえているのに気付いた。


低く、街全体に聞こえそうな唸り声のような……。


「ま、まずい!逃げるよ二人とも!あいつに見付かったら僕達は殺されてしまう!」


「分かってる!生きてるやつは屋内に避難しなさい!動かずに、通り過ぎるのを待つんだ!」


周囲に潜んでいた仲間達に指示を出す明美さん。


あいつってなんだ?


今のサイレンのような音を聞いて、おっさんの顔色が変わったような。


そう思っていると……さらに近くから鳴り響いた地鳴りに、俺は東側の通りを見た。













そこには……ビルの五階くらいはあろうかという巨大な怪物が、ビルの陰から現れたのだ。