殺戮都市

このおじさんという人物のおかげで、良い具合に明美さんの敵意が削がれたのか、日本刀が激しく反応する事がなくなった。


気付けば、俺たちは北軍の人間に囲まれていて、数だけで言えば圧倒的に不利な状況。


「戦闘が終わったら、殺してあげるから覚悟しなさい」


明美さんがこうもあっさりと退くなんて、この人物は何者なんだ?


……なんて、考えている場合じゃないよな。







「なんだよなんだよ、もっと仲間割れしてくれよ!」



「弱った所でとどめを刺させろっつーの!」






今まで黙って見ていた北軍の人間が、戦いを辞めた俺達にブーイングを浴びせた。


好きなように言ってくれる。


「ただでさえ時間が掛かってるんだ、いつポーンの群れが押し寄せるか分からない。素早く、一気に片付けるよ」


「……どこかで聞いた声だと思ったら。おっさんだろ?新崎さんと奈央さんを火葬してくれたんだよね?」


三人で背中を合わせて、その顔を見る事は出来ない。


でも、おっさんの優しさというものが、合わせた背中から伝わってくるようで安心出来た。


「思い出話しも後にしようか。今はこの状況を切り抜けないとね」