殺戮都市

髪が後ろで一つに束ねられていて、すぐには分からなかったけれど……その顔を忘れるはずがない。


歴戦の勇者のような、鋭い目付きに変わってはいたけど、それはきっと何かしらの心境の変化があったのだろう。


大斧を振り抜き、一気に10人近くの人間を斬り払ったその女性……。












星5レアの武器を振り回すのは、あの日、決別した明美さんに間違いなかった。
















彼女が、どんな思いで今までを生きて来たかは分からない。


だけど、こんな前線で、北軍の人間相手に武器を振るっている姿を見れば、それは容易に想像出来た。


俺は……どうすれば良い。


かつての仲間で、斎藤にそそのかされていたとは言え、一度は敵対して命を奪った相手だ。


俺が目覚めるまでの間に、どれだけの心境の変化があったのか。


俺に対する憎しみはどれほどの物に変化しているのかが気になって。


車のボンネットの上で荒々しく戦う明美さんを見て、そんな事を考えていた。


このまま見なかった事にして、さっさと北軍を目指すべきか。


それとも、バベルの塔に乗り込むメンバーとして誘うべきか。


そう考えていたけれど、日本刀はどちらも選ばせてくれそうになかった。