殺戮都市

車の陰に隠れているやつに恨みがあるわけじゃない。


だけど、俺を狙ったのに無視すれば、背後からまた攻撃されるかもしれないから、放っておく事も出来ない。


次の攻撃が来る前にと、日本刀を引き抜いて車に駆け寄った俺は、再び攻撃の為に顔を出そうとしたタイミングに合わせて車のボンネットの上に飛び乗った。


僅かな時間で距離を詰めた俺に、驚いたような表情を向けて……。


俺は、その顔から視線を逸らして、静かに首を刎ね飛ばした。


喧騒の中でも分かる、頭部が地面に落下した音。


あまり聞きたいような音ではない。


すぐさま戦闘が激しい中央部側に顔を向けると、衝突する人と人の中央に、勇敢に戦う人物を見た。











「押し戻すよ!ここから先は行けないって、北軍の連中に思い知らせてやるんだ!」










その人物は……女性は、身の丈よりも長い大斧を軽々と振り回し、押し寄せる北軍の人間を次々と切り倒していたのだ。


小さな身体であんな重そうな斧を……いや、俺の日本刀がそうであるように、重さなんてほとんど感じてはいないかもしれない。


その女性が斧を振った時……見えたその顔に、俺は驚きを隠せなかった。