殺戮都市

怪物は物の数ではない。


俺がそう思っているように、木部もまた同じ事を考えているのだろう。


怪物の攻撃を軽くあしらいながら、俺から視線を逸らさない。


こんな状況でも、俺に攻撃する機会を伺っているのだ。


「一つ良い事を教えよう。北条はどうか知らないですが、中川はもう戦えませんよ。今じゃあただの飲んだくれ。生きる希望をなくして酒に溺れていますからね」


突然、中川の事を語り始めた木部。


どこで何をしているか、聞きたかったけれど……中川が飲んだくれだって?


俺が目覚めるまでの間に何があったって言うんだ。


とにかく、それを確かめる為に、北軍に行かなければ。


強い気持ちが俺の心に芽生え始めた。


街の流れに置いて行かれて、戸惑っていた俺の心にやっと。


それにはまず、この状況を打開しなければ。


グッと日本刀を握り締め、迫る二匹の怪物に刃を向けた。


振り下ろされる腕、空気を切り裂くような爪。


視界に映っていた木部の姿を隠し、怪物が迫る。


「邪魔なんだよ!!」


気合いと共に発した言葉。


振り上げた日本刀がその腕を切断して、怪物の頭上に掲げられた。