殺戮都市

敵地で、纏まらずに散らばるなんて、どれだけ腕に自信があるのだろうか。


いや、ただ単純に単騎でも南軍の人間には負けないと思っているのだろう。


防衛網を突破して、ここまでやって来るくらいだから。


大通り、交差点の真ん中に立つ木部。


まだ俺の存在には気付いていないようだけど、情報を聞き出す為に不意打ちをするつもりはない。


木部との距離は約5メートル。


歩いて近付く俺に気付いた気部が、脇差を抜いて鋭い眼光を向けて来たのだ。


「……誰かと思えば。北条と中川と共に松田を殺した少年ではないですか。今まで姿も見せずに、どこにいたんですか?」


異様な雰囲気を感じる……。


過去に俺が圧勝しているというのに、まるで俺が敗北したかのような錯覚に陥る物言い。


「俺の事なんてどうでも良い。恵梨香さんと中川はどこにいる?」


日本刀を構えて、ジリジリと木部に迫る。


「知りませんね。知っていたとしても、キミに教える義理はない」


そりゃそうだ。


じゃあ良いやと言って、戦闘をスルー出来る相手でもなさそうだし。


一度勝った相手とは言え、俺が目覚めるまでに強くなっているだろうから、気は抜けない。