殺戮都市

牽制の為に向けた日本刀から距離を取り、殺意に満ちた目を俺に向ける男。


T字路の突き当たり、逃げようと思えばいくらでも逃げられるこの場所で、全く逃げようとしない。


それどころか、俺を殺す気でいるこの男に、逃げろなんて言っても無駄だった。


壁際に追い詰められて、しばらく時間が経った。


南軍の中心の方から、人の声が聞こえるけど、この辺りは静かなものだ。


戦いの場所は時間と共に変化していて、この場所にいる俺達を気にしている人なんていない。


そう……思っていたのに。










「いたぞ!東軍のクソ野郎だ!」










左の方から聞こえた声。


気になるけど、男から目を逸らすと刺されそうな気がして、その方向を向けない。


牽制したままでいると、男が一人。


いや、三人の男が東軍の男を取り囲み、全員が武器を取り出したのだ。


「ほら見てみろよ……逃げろって言って、こうやって罠にハメるつもりだったんだろうが!!」


「ち、違う……」


この状況では、何を言ったとしても信じてもらえないだろう。


俺が囮になって、仲間が来るまで時間稼ぎをした。


そう思って当然の状況に変わってしまったのだから。