殺戮都市

「ち、違う!早く逃げろって!」


鋭く尖ったアイスピックから逃げるように、一歩後退して叫んだ。


まさか……そんな事を言われるなんて思ってなかったから、驚いたと言うのもある。


「じゃあ何だその刀はよ!逃がすつもりならどうして出したままにしてんだよ!殺す気なんだろうが!」


出したままって……そう言えば、新崎さんも奈央さんも、戦闘が開始されるまで武器を持っていなかった。


武器を隠す方法があるのか。


「お、俺はここに来たばかりで、どうすれば良いか分からないんだよ!良いから逃げろよ!そんな事言ってる場合かよ!」


まるで俺が命乞いをしているかのように、必死になって頼み込む。


これじゃあどっちが追い詰められているのか分からない。


人を殺したくなくて、早くこの場から立ち去って欲しいって言うのに……。


「黙れ!!どうせ死ぬなら、お前を殺してソウルを増やしてから死んでやるぜ!」


逃がすつもりで声を掛けたのに、それが男を精神的に追い詰めたのか、聞く耳を持たない。


東軍の連中は……皆こんな感じなのか。


脚を引きずって俺に向かって来る男から逃げながら、言っても信じてもらえない悲しさを感じた。