殺戮都市

そこはさすがと言うべきか、松田はそんな弱点は分かっているかと言わんばかりに、さらに後方に飛び退きながら鞭を引く。


そして……どういうわけか、飛び込んだ俺に鞭の先端が迫ったのだ。


グッと床を踏み締め、前に持って行かれる身体を強引に後ろへ。


それでも足りない分は日本刀で床を突いて無理矢理押し戻す。


これでもまだ、鞭の長さを考えると足りないと思われたけど、予想に反して鞭は俺の眼前で空を切ったのだ。


「隙が出来ると思ったか、馬鹿め。接近戦はお前だけの物じゃない!」


すでに体勢を整えて、奇妙な構えでそう言った。


奇妙と言うのは、両手の先にダランと垂れ下がった鞭の先端があったから。


……鞭の中央付近を持って、両端を打点に使ったのか。


だから、俺には届かなかったけど、素早い回転の攻撃が可能だったのだ。


「……私と接近戦でやりあおうっての?ちょと見ないうちに、頭悪くなったんじゃない?」


俺の声で、狩野と思われる人物が話す。


違和感が凄いけど、俺では勝てないのなら狩野に任せるしか方法がない。


悔しいけど……俺の力が完全に否定されたみたいで悔しいけど。


頼るしか、道はないと分かっていた。