殺戮都市

立ち上がった俺は、ゾンビのようだった。


鞭で打たれた胸の皮は削げ落ち、折れた肋骨が不気味にそこから飛び出している。


俺と言う肉体を、誰かが動かしている。


それを、俺は俺の中からみているだけ。


そんな奇妙な感覚。


「そんな状態でどうするつもりだ?刃のない刀を振り回して、俺を斬ろうと言うのか?」


馬鹿にしたような笑みを浮かべた松田。


だけど、そんな事は関係ないとばかりに俺は駆け出していた。


速い!


普段の俺なんかよりも、ずっと速い!


あっという間に松田に詰め寄って、刃のない日本刀を振り上げた。


今にも死にそうな俺の、思いもよらない攻撃に、松田の顔色が変わる。


慌てて鞭を振り上げるけど、それすらも遅く感じて。


振り上げた柄が空を切った……と思ったのに、それは松田の鞭の柄に阻まれて動きを止めたのだ。


刃が……柄から、血が固まるようにして形成されて行く。


そして、折れた刃に似た赤い刃が現れたのだ。


松田の首を僅かに切って。


「この太刀筋……そんなはずはない!前の持ち主、狩野晃だとでも言うのか!狩野は死んだはずだ!」