殺戮都市

このままでは、何も出来ないまま死んでしまう。


非現実的な事は今まで腐る程見て来た。


人を殺す度、身体が軽く感じたのもそうだし、この街自体が現実的ではない。


何か……この状況を打開出来る手段があると言うのなら、それに賭けてみたいとも思う。


何とかその手を掴もうと、必死に手を伸ばそうとするけれど……血が失われて、身体が動かない。


気持ちだけ、どこまでも手を伸ばしているような感じで。


だけど、女性は床にある俺の手を取り、満面の笑みを浮かべたのだ。


「ありがとう。信じてくれて」


そう言った瞬間、手を伝わって俺の中に何かが入って来るのが分かった。


女性に触れられた手の方じゃない。


柄だけになった日本刀から、力が逆流して来るように。


「あ……ああっ!!」


だけど、俺の怪我が治るとか、秘められた力が覚醒したとか、そんな漫画みたいな事は起こらない。


ただ……誰かの意識が入って来るように、俺が俺でなくなって行く感覚だけがあったのだ。















気付いた時には、俺は大量の血を噴き出しながらそこに立っていた。


まるで夢を見ているかのような感覚。