殺戮都市

誰の声だ?


いつも聞いている、安心する声だ。


「理沙……?恵梨……香さん?」


いや、違う。


亜美の声でも、優の声でもない。


それなのに、いつもそばで俺を見守ってくれているような優しい女の人の声。


「キミはまだ、私に心を許していない。身を任せるのが怖くて、どこかでブレーキを掛けているの」


そんな事を言われたって……こんな優しくて、安らぐ声の人に心を許さないはずがないのに。


おかしいな。


明美さんでもないし、奈央さんの声でもない。


「あんた……誰?俺……会った事ないでしょ」


そう呟いた俺の目の前に、見た事のない綺麗な脚が現れた。


スニーカーを履いた、白くて美しい脚。


ホットパンツにTシャツと言うラフな格好の、ボーイッシュな女性。
















……誰だ。

















本当に分からない。


「ぼ、坊主……嘘だろ!?お前がいなくて、どうやって……」


視界の端に中川の姿が見える。


苦しそう腹を押さえて、ウォーハンマーを支えにして。











「さあ、真治。手を出して。恐れずに、私に心を開いて」










その女性は、優しい笑顔を向けて、俺に手を差し出した。