殺戮都市

「どうして……どうして東軍を!!俺達は皆が元の世界に戻れるように頑張ってたのに!!」


気付いたら俺は、日本刀を抜いて松田に飛び掛かっていた。


怒りが、悲しみが、恐怖を凌駕する。


力任せに振り下ろした日本刀が、松田の頭部に襲い掛かる。













だけど、それは素早く振られた鞭によって阻まれたのだ。


ギャリギャリと音を立てて、刀身を削るように鞭が綺麗な線を描く。


後方に飛び退いた松田が、そんな俺を見て溜め息を吐いた。


「俺はこの街のゲームを正しくプレイしているだけだ。お前の行動がイレギュラーなんだよ。人を殺すのはルールに乗っ取った事だろ」


「黙れ!よくも亜美を!優を!お前はお山の大将で、北軍だけで踏ん反り返ってれば良かったんだよ!」


俺の心が怒りに染まって行く。


日本刀は抜いてからずっと動きっぱなしで、いかに松田が強敵かという事がそれからも分かる。


素早く松田との間合いを詰め、日本刀に導かれるままにそれを振る。


しかし、その刀身は当たらない。


鞭を振り上げて、日本刀を弾く。


特に慌てている様子もなく、防いで当然と言わんばかりに冷たい目を俺に向けたまま。