殺戮都市

迂闊に飛び込めば、松田はすぐに武器を取り出して俺を攻撃するだろう。


武器は鞭。


俺が苦手とする武器で、その対策も考えられていない。


肉を削ぎ落とされる恐怖は、こんな僅かな時間で拭えない。


「さて、お前達に面白い話をしてやろうか」


こんな状況で松田は何を話そうって言うんだ?


俺達が戦わないから、揺さぶりを掛けようとでも言うのか。


「面白い話?お前が俺に叩き潰されるって話なら面白くて聞いてやるけどよ」


精一杯の強がりを言って、自らを奮い立たせる中川。


ウォーハンマーを取り出して、体育館の床を叩き付けた。


「……中川、お前が去った後、俺は面白い男を手に入れた。元の世界に帰る事だけに執着する、ストイックな男だ。その男とお前達が会う事はないだろうが……俺に従っていれば元の世界に戻る事が出来る」


ここに来て、敵軍である俺を殺せとでも言うつもりか?


「はっ!お前の口車に乗せられてたまるかよ!そうやって何人も戦えない人達を殺して来たんだろうが!」


中川がそう吠えるも、松田はまた端末を取り出して画面を気にしている。


校長室でもそうだったけど、一体何をしようとしているのだろう。