殺戮都市

「中川と言い、恵梨香と言い、何が不満なんだ?元の世界よりもずっと良い生活を送っていたはずだろう?それを捨ててまで俺に歯向かうとは、愚の骨頂としか言いようがないな」


窓に反射する二人の姿を横目に見て、小さく肩を震わせて笑う。


今なら……背中を見せている今なら、素早く飛び込んで斬り付ける事が出来るかもしれないのに。












さっきの長崎なんかとはまるで違う。


松田から溢れ出る威圧感が、俺の足を前に動かそうとしないのだ。


「ふざけるなよ。人を道具のようにしか思ってないお前なんかと一緒にいられるかよ。使えないからって無抵抗の人間を殺すやつとな!」


子供達や戦えない人達を保護しているからこそ言える中川の言葉。


だけど、そんな中川を松田は笑って見せた。


「お前は考えた事があるのか?戦えない者が、この街で生きていて本当に良いと思えるかどうか。元の世界ならいざ知らず、この街では戦えないと言う事はつまり、死だ。それが早いか遅いかだけの違いだろう?お前の行為は、無駄な延命行為に過ぎないとなぜ分からない」


激昂するわけでもなく、バカにするわけでもなく、それが当たり前だと言わんばかりの態度で言い放ったのだ。