殺戮都市

「良い?生き残りたかったら仲間を信じて。敵には一切の情けをかけちゃいけないの。それが出来ない人はすぐに死んで行く」


奈央さんに手を引かれて移動を始めた俺は、怒るわけでも慰めるわけでもない、その声を聞いていた。


立ち直れたわけじゃない。


人を一人殺したんだから、その罪の重さに押し潰されそうで。


こうして手を引いてくれなければ、立ち止まってしまうだろう事は分かっていた。


「奈央さんは……平気なんですか。人を殺してるっていうのに」


「平気なわけないじゃない。変な言い訳はしないわ。でも、この世界じゃそれが出来ない人は不要なのよ」


悲しい言葉だな。


この世界じゃ、現実世界で仕事や学校に行く感覚で人を殺すんだろうな。


そうじゃなきゃ、存在価値がないんだ。


納得なんて到底出来るはずがない。


だけど、生きる為には何をすべきなのかという事は理解したつもりだ。


「人を殺さなくても、キングってのを破壊すれば良いんですよね。それなら……」


狭い路地を歩きながら、出した答えはそれだった。


どこにあるか分からない、西軍のキングを狙うしかないと。


そんな俺に、奈央さんは何も反論せずに、ギュッと手をにぎってくれた。