殺戮都市

「……どうした少年、ぼんやりとして。もしかして、まだ余韻に浸っているわけじゃないだろうな?」


俺が歩くのが遅かったのか、後方を歩く俺に近付いて、恵梨香さんが尋ねた。


……良くそんな事が聞けるな。


恵梨香さんが相手で、一緒にいるのに意識しない方が無理な話だ。


「ち、違うますよ。俺はただ、妖刀に操られる事を考えて……」


違わないのに、そんな事を考えていると思われたくなくて、俺は嘘をついた。


「ふぅん……まあ良い。また少年に頼る事になるのは心苦しいけれど、私も出来るだけの事はする。妖刀に操られても、少年なら大丈夫だと私は信じているからな」


恵梨香さんの言葉は、俺には心強く感じた。


と、同時に、妖刀に操られてでも松田と戦えと言っているように聞こえるんだけど。


「おい、お前ら。お喋りはそこまでだ。防衛ラインを抜けて来たやつらがお出ましだぞ!」


俺と恵梨香さんの会話を遮って、中川が声を上げた。


ウォーハンマーを地面に突き立て、戦闘体勢を整える。


中川が向いている方に目を向けると、道を走って来ている人影が数人。


腕には紫色の光が。


恵梨香さんと中川は黄色だから、西軍の人間である事が分かった。