殺戮都市

「真治君!真治君!?何ボーッとしてるの!」


立ち尽くす俺の背中をバンッと叩いたのは奈央さん。


「お、おかしいんですよ。こいつ、死んだはずなのに光の粒にならないんです」


戦闘で息絶えた他の人達は、次々とどこかに還っているというのに。


言うなれば光の道のように、大通りに光が溢れていた。


「ソウルがなかったんでしょ!そんな事より、先に進んだ東軍を追うわよ!感傷に浸ってる暇なんてないの!」


グッと俺の腕を掴み、引っ張ろうとする奈央さん。


だけど俺は、どうしてもその言葉を納得する事は出来なかった。


「そ、そんな事って……人を殺したんですよ!?ソウルがなかったら、この人は生き返れないのに!」


「甘い事言わないで!!そんな事言ってたら殺されるわよ!?和馬も明美もやられた!!死んでも良いならここにいなさい!」


奈央さんの言葉に、俺はさっきまで明美さんがいた場所に視線を向けた。


地面に倒れて、頭から血を流す明美さんはピクリとも動かない。


その遺体が光の粒に変わって行く。


何でこんな事をさせられてるんだよ。


人が人を殺して、何とも思わないでいろってのかよ。


人を殺すまで分からなかった感情が、俺の身体を動かしてくれなかった。