殺戮都市

最初は小さく、徐々に大きく身体を前後に揺らし始めた木部。


今に倒れるんじゃないか?と、ほんの僅かに見入ってしまったその一瞬の隙を突いて、木部の脇差が俺に襲い掛かった。


身体を倒して回転させ、高速で上方から迫る銀色の刃。


恐ろしく不気味な動きで、人間を相手にしているとは思えない。


素早く日本刀を振り上げて、脇差を弾こうとした俺は……突然消えた銀色の刃に驚いた。


これは……まずい!


俺が良くやるやつじゃないのか!?


と、なると、脇差が現れるのは俺の腕の上。


日本刀を持っている腕ごと切り落とそうとしているのか。


そう感じて、素早く後方に飛び退いた。


案の定、俺が今までいた場所に、木部の脇差が振り下ろされたのだ。


「……偶然とはいえ、今の攻撃を躱すとはなかなかやりますね。では、これはどうですか?」


そう言い、素早く俺に詰め寄る木部。


だけど……俺は奇妙な感覚を覚えていた。


恵梨香さんの身体を何度も切り裂くほど強いのは確かだろう。


それなのにどうしてだろう。


こいつは俺の敵じゃないように思える。


似た系統の武器だから、そう感じるのだろうか。