殺戮都市

「井沢と浦瀬は負けましたか。まあ、所詮は星4レアの口先だけのやつらですからね」


声を掛けた俺の方を向いて、木部がメガネを上げて溜め息を吐く。


その言葉の通り、木部の脇差も大山田の手斧も星4+レア。


俺も恵梨香さんもボロボロなのに、まだ強い二人がピンピンしているのだ。


「そして……ようやく出会えましたね、日本刀に。今までどれだけこの脇差がバカにされて来た事か……小さい刀、小さい刀と。それも今日で終わる。日本刀よりも強ければ、誰もバカにはしないでしょうから」


悔しがっているのか?


それとも悲しんでいるのか。


身体を小刻みに振るわせて、ゆっくりと顔を上げた木部は……ニタリと不気味な笑みを浮かべていたのだ。


ゾクッと、冷たい物が背筋を撫でる。


今までにない、人の不気味さに対する恐怖。


恵梨香さんをこんなにする程の相手だ、様子見とか、そんな悠長な事は言ってられない。


最初から、一撃で仕留めるつもりで行く!


脇差をダラリと垂らした木部が、ゆらりゆらりと身体を揺らし始める。


こういう不可解な動きは苦手だ。


いつ攻撃をしかけて来るか、予測出来ないから。