殺戮都市

分かりやすい中川の挑発に、四人が口論を止めて一斉に睨み付ける。


「おう、誰がチビだコラ!デカいだけで偉そうにしてんじゃねえぞ!」


「ブサイクって私の事!?あんたに言われたくないよ!」


「シェリーだっつってんだろうが!!」


木部以外の三人が、怒りを露わにして中川に襲い掛かる。


真っ先に飛び出したのは大山田。


斧を振りかざして迫るその姿は蛮族を彷彿とさせる。


チビの井沢も、鉄鞭を構えて中川に迫る。


「少年!浦瀬は任せたぞ!」


「えっ!?あ、はい!」


そう言って恵梨香さんは駆け出した。


狙っているのは木部のようで、俺は中川に怒りを向けている唯一の女性、浦瀬を引き剥がさないと。


この胸の傷……こいつの鞭で打たれたに違いない。


大きく、中川達を迂回するようにして浦瀬に接近した俺は、側面から体当たりをした。


速度と体重が乗った体当たりに、不意を突かれた浦瀬はなす術なく地面に転がった。


「いった……このガキ!謝っても許さないんだからね!」


慌てて起き上がり、俺を睨み付けた浦瀬は、鞭を取り出して怒鳴り声を上げた。


一応……作戦通りの形にはなったけど、これを維持できるかどうかは分からなかった。