殺戮都市

「こんな所で喧嘩するなよ。こうなっちまった物は仕方ないだろ。むしろこっちには都合が良いかもしれねえ。ほら、見てみろよ」


車道の様子を伺っていた中川が、ニッと笑顔を見せて車道を指差す。


中川が示した車道の奥を見てみると、さっきまでそこで待ち構えていたやつらがざわついている。


俺達を撃退するのが先か、それとも防衛に回るのが先か、指示を待っているのだろう。


「混乱しているな。この機に乗じて……と言いたい所だが、もう少し待った方が人員が少なくなるかもしれないな」


「ああ、自分の持ち場を離れて、西軍を通したとなれば、松田の怒りを買うだけだからな。俺達が攻め込んでいようと関係ねえ。どっちもこなせって無茶を言うのが松田だ」


そんな上司を持った部下は大変だな。


どうせ、どっちががダメなら怒るんだろうし。


俺達を通しても、西軍を通しても怒りを買うなら……俺ならどうする?


「俺なら……西軍を食い止めて、他の誰かに俺達を仕留めてもらいますけどね」


「そうなる事を願って、戦闘開始を待つか?この街では、なかなか自分の思い通りにはならないぜ」


俺の考えなんて浅い物だと言う事は分かっている。


だけど、今飛び出すよりはまだ可能性があると思うから。