殺戮都市

堀田がもう一方の拳を振り上げる。


だが、そうはさせないと、俺は恵梨香さんの背後から日本刀で突きを放つ。


拳は振り上げられたまま……堀田は、トンファーを殴った拳を振り上げて、俺の日本刀を下から弾いたのだ。


「はっ!さっきと同じじゃねえかよ!!見え見えなんだよ!」


そう言った堀田の顔が、恵梨香さんの方に向いた瞬間表情が変わる。


確かにここまではさっきと何も変わらないかもしれない。


だけど俺は、恵梨香さんの手に握られていた物を見て、完全に堀田の予測の上を行ったのだと判断した。


握っていたトンファーを放し、新たに握られていたのはデリンジャー。


この近距離では回避しようがない。


躊躇する事なく、引き金を引いた恵梨香さん。


銃口から弾丸が発射され、それが堀田の腹部へと吸い込まれる。


パンッという銃声が辺りに響き渡り、堀田の身体がビクンと揺れた。


それでも、なんとか後方に飛び退こうとする堀田。


そうはさせるかと、その後方に回り込んだ俺は、日本刀を突き付けた。


「銃なんてありかよ!?」


撃たれた腹部を押さえ、身体を横に向けて俺と恵梨香さんに、交互に顔を向ける。