殺戮都市

「掛かって来ないのかよ?まあ、そうやって時間を潰してくれると、こっちとしてはありがたいけどよ。それじゃあつまんないだろ」


そう、こいつの目的は他の仲間が来るまで時間を稼ぐ事。


俺達はその前にこいつを倒して、早くこの場から立ち去らなければならないのだ。


「ならばどうする?まともにやりあっても、攻撃が出来ないなら勝ちようがないぞ?」


堀田の予測を上回る攻撃をしなければ。


例の消える斬撃……一瞬それが頭に浮かんだが、そもそもがその攻撃を繰り出せないのだから話にならない。


「距離を取って、中川の所に誘い込む……ですかね」


当初の予定通り、それしかなかった。


こんなにも戦いにくい相手には出会った事がない。


「同感だ。私の動きに合わせろ。こちらも攻撃の隙を与えないように攻めるぞ!」


「はい!」


それが可能かどうかは分からない。


だけど、恵梨香さんのその言葉を信じて攻めるしかなかった。


走り出した恵梨香さんと俺。


目の前でトンファーを構え、大きく踏み込んだ恵梨香さんがそれで殴り付ける。


だけど、案の定堀田はトンファーを殴って、その勢いを完全に殺したのだ。