殺戮都市

だが、その攻撃は男の拳によって弾かれたのだ。


身を低くして、ショートアッパーのような防御。


その手に握られていたのは……メリケンサック？


斎藤が持っていた物と同じ武器が、再び俺達の前に立ちはだかったのだ。


「重い一撃じゃねぇかよ。お前も進化に気付いたのか？」


そう呟いた男が、もう一方の拳で恵梨香さんを殴り付ける。


思いもよらない反撃に、何とかトンファーでガードしたものの、派手な音を立てて大きく弾き飛ばされた。


「……堀田。お前がここにいるって事は、松田も気付いているんだな？」


ようやくやって来た中川が、男を見るなりそう尋ねた。


「当たり前だろ。松田さんが星5レアのお前に監視を付けないとでも思ったのかよ。妙な二人と、妙な事を考えてるんじゃねえかって待機させられてたこっちの身にもなれよな。でもまあ、本当に来たならやるしかねえよな」


両の拳を合わせて、ガンガンと音を立てる堀田。


こいつは恵梨香さんに「お前も進化に気付いたのか？」と言っていた。


だとするなら、こいつも武器を進化させた。


それも、斎藤と同じメリケンサック……星4＋なのだろう。