殺戮都市

「誘い込まれたか……仕方ない、突破するぞ!」


言われるまでもない。


戻っても集中砲火なら、進む道を切り開くしかないのだ。


ギリギリで敵の攻撃を躱しながら、前方の敵の群れに迫る。


大きく踏み込み、ドンッと地面を鳴らして俺は、弓矢を構えていた人達を斬り捨てた。


距離があると怖い遠距離武器も、懐に飛び込んでしまえばどうと言った事はない。


俺と恵梨香さんであっと言う間に制圧して、残るは一人だけとなったのだ。


そいつだけを残したわけでも、手を抜いたわけでもない。


こいつが自身の力で生き残った。


俺達の攻撃から逃れて、そこに立っていたのだ。


「中川だけじゃねえとは思ったけどよ、よりによって星5レアと星4+付きかよ。おーい、東ブロックだ。援軍よろしく」


端末を手に、そう言った男。


やっぱり、俺達が動く事を知っていたんだ。


そうじゃないと、待ち構えるなんて出来るはずがないのだから。


「構わん!援軍が来るまでに殺せば良いだけだ!」


俺に指示をするより早く、恵梨香さんが男に飛び掛かる。


トンファーを振り上げ、男の頭部目掛けて。