殺戮都市

崩れ落ちる三人の男達。


この程度なら、東軍で何十人ものやつらに囲まれた経験があるから大した事ではない。


だけど、恐怖を感じる。


勝てないと分かっているのに襲い掛かって来るこいつらに。


「こんな事をしていてもダメだ、一気に駆け抜けるぞ!」


北軍の恵梨香さんでも、この猛攻は想像していなかったのだろうか。


それでも、俺にはその言葉に従うしかなかった。


中川も、駆け出した恵梨香さんに続いて、それを見た俺も走り出す。


矢を弾きながら車道を北上する俺達。


背後からの追撃も次第に弱くなり、この判断は正解だったと思ったその時だった。


前方の道を塞ぐように……弓矢や投擲武器を構えた北軍の群れが配置されていたのだ。


「やれ」


気付いた時にはもう遅かった。


微かに聞こえたその声と共に、前方から一斉に放たれる矢や投擲武器。


俺達の移動速度も合いまって、凄まじい速度で迫って来る。


「くっ!」


日本刀でそれらを何とか弾きはするけど、全部というわけにはいかない。


対応し切れなかった物が、俺の肩や脚をかすめる。


致命傷ではないけれど、これが積み重なれば大きなダメージとなるだろう。