殺戮都市

頭上から聞こえた恵梨香さんの声に、俺はナイトを見上げた。


そこには、ナイトの肩に乗った恵梨香さんが立っていて。


その頭部目掛けてトンファーを振り下ろしたのだ。













ドゴン!!











と、激しい炸裂音が辺りに響いて、ナイトの頭部が叩き潰される。


その攻撃は、頭部を叩き潰すだけではなく、衝撃が胸の辺りまで引き裂いたのだ。


星4レアで、これほどまでに破壊力が上がっている。


ウォーハンマーほどではないにしても、その威力は本当に星5レアに迫るものだと、俺は倒れるナイトを見てそう思った。


「ふう……私と少年で何とかというところか」


長い髪を耳に掛けて、俺の隣で死んだナイトを見る恵梨香さん。


「何言ってるんですか。もしかしたから、恵梨香さん一人でも倒せたかもしれないですよ」


この破壊力を見れば、本当にそうなんじゃないかと思えてしまう。


「まあ、それはないな。ナイトはな、一対一だと俺だって苦労するんだぜ?こいつはそんなに頭が良いわけじゃないからよ、複数で攻めれば敵じゃねえ」


折角の勝利に水をさすような中川の評価。


だけど、恵梨香さんのトンファーが確実にパワーアップしているのは分かった。