殺戮都市

前回なら、その反撃に慌てて、回避出来ずに負傷していたかもしれない。


だけど、今の俺は違う!


高速で迫る槍の先端。


それを日本刀で弾いて、懐に飛び込んだ俺は、その首目掛けて日本刀を振る体勢に移る。


だが、それは叶わなかった。


振り抜く前に、前面に盾を構えたままナイトが突進する。


俺の身体に強い衝撃が走り、盾で弾かれた俺は後方へと吹っ飛ばされたのだ。


一瞬意識が飛び、気付いた時には地面を転がっている最中。


慌てて起き上がって、日本刀を構えた俺は、ナイトを睨み付けた。


危ない……日本刀は強いけど、俺自身はただの高校生。


今の体当たりだって、当たりどころが悪ければそのまま気を失っていたかもしれない。


こいつは俺より強い。


そう思って掛からなければ、油断が生まれてしまう。


「恵梨香さん!脚を止めます!その間に!」


「任せたぞ!」


その声で、チラリと恵梨香さんの方を向いたナイト。


今しかない!


僅かな隙も見逃さない。


死角になる、槍を持った側から駆け寄った俺は、ガードされないように槍を掴んで、隙だらけの右前足に鋭い一撃を放った。