殺戮都市

階段を下りた先にあるドア。


そこから顔を出していたのは亜美よりずっと小さな男の子で、それも一人じゃない。


「おじさん、おかえり」


「ゆみちゃんがけんちゃん泣かした」


何人もの子供が、中川を見るなり口々に話し始めたのだ。


「……なんだここは。こんなに子供がいるなんて」


「ちょっと……予想外でしたね」


その光景をすぐには受け入れられなくて、俺と恵梨香さんはただただ立ち尽くすだけ。


「ほら、中に入ってろ!おばちゃん達に遊んでもらってな!」


外に出ようとする子供達を何とか部屋の中に入れ、ドアを閉めた中川。


俺達をジッと見詰めて、その口を開いた。


「そっちのお前、お前の武器は何なんだ?俺の鋼の身体にこんな傷を付けるなんて、只者じゃないな」


いや、それは違うだろ。


この日本刀の斬撃をモロに喰らって、その程度で済んでる中川の方が只者じゃないと思う。


「そんな話はどうでも良い。今の子供達は何だ?どうしてお前が、こんな街の中心部にいるんだ。お前は……達也の部下だったはずだろう」


俺の知らない北軍の事情。


それを知る恵梨香さんと中川は、何を話すのか。


俺は黙って話を聞くしかなかった。