殺戮都市

「そしてお前は私達をここに誘い込んでどうするつもりだ?狭い場所に逃げ込んだのは間違いだったな、ここではハンマーは使えまい」


そんな中川に、ナイフを突き付けて恵梨香さんが迫る。


確かにここではハンマーは振り回せないし、中川にとってメリットは一つもないように思える。


俺を殺すつもりなら、もっと広い場所で戦わないと。


「どうするつもりもねえよ。ただ逃げただけだ。それにここは、俺達のアジトだからな。ここで戦うつもりもねえ」


そう言って、俺が斬った腹部に手を当てる。


思ったよりも浅い傷。


だけど、出血は結構な量で、これで走っていたのかと思うとその体力には驚く。


「俺達?やはり仲間がいるのか?そんなとこだろうと……」


と、恵梨香さんが中川の首にナイフを添えた時。


カチャ……と、階段の下の方から、控え目にドアが開く音が聞こえたのだ。


そして小さな声。


「おじさん?帰って来たの?」


細く、怯えたような子供の声。


それを聞いた中川は、恵梨香さんの手を払い除け、その声の方へと向かったのだ。


「ダメだろ。おじさんが中に入るまで、絶対に開けるなって言っておいただろ」