殺戮都市

先を走る恵梨香さんの後ろを、日本刀を持った俺と、素手の中川が競うように走る。


戦闘中はあれだけ遅かった中川が、ハンマーを持っていないとなかなかに走るのが速い。


それでも、背後から迫るナイトの方が速いのは間違いないのだけど。


「おい!次の交差点を左だ!最初のビルに地下に下りる階段がある!」


一体どういうつもりなのか、中川が恵梨香さんにそんな指示を飛ばす。


「何考えてるんだ!?俺達を騙すつもりか!」


「死にたくなけりゃそこに逃げ込めって言ってんだよ!あの数と戦うつもりか!」


そう言われたら、何も言い返せない。


恵梨香さんもそれは分かっているようで、中川に言われた通りに交差点を曲がる。


背後から迫る音が、今にも俺達を飲み込んでしまいそうで、それに従うしかなかった。


交差点を曲がって、入った地下へと続く階段。


人一人分くらいの幅しかないこの階段では、怪物が入って来る事は出来ない。


とりあえずは危機を回避する事が出来たけど、まだ中川の罠じゃないとも言い切れないのだ。


「ふう……何とか逃げる事が出来たな」


壁にもたれて、中川が溜め息を吐いた。