殺戮都市

「グルルルルル……」


俺が戦ったのとは別の個体。


盾と槍の形状が少し異なっていて、身体も少し小さい。


「ナイト……こんな所で出くわすとはな」


さすがの恵梨香さんも、その怪物を前に足が止まる。


普段は一本しか使用しないトンファーを二本取り出して、両手に構えた。


「まともに戦うのはやめましょう!隙を突いて逃げた方が良いです!」


「そのつもりだ!」


強大な敵を前に、同時に駆け出した俺達。


怪物に牽制の一撃を放ち、隙あらばと思ったけど……盾と槍で、俺と恵梨香さんの攻撃を防いで、弾くように押し戻したのだ。


前進するつもりだった俺達に襲い掛かる、後方への力。


踏ん張る事も出来ずに、俺は数メートル飛ばされて地面を転がった。


俺だけじゃない、恵梨香さんもまた同じように地面を転がる。


「あいたた……甘く見過ぎた」


やっぱり強い。


単調な攻撃はこいつには通用しないと分かっていたはずなのに、本気で戦うつもりがないとどうしてもそうなってしまう。


「最初から逃げるつもりでは、それすら出来ないと言う事か……仕方ない、本気で行くぞ少年」