殺戮都市

そんなの分かってるよ。


俺がどんな心境だろうと敵には関係がないって事くらい。


今まで、その人がどんな心境で戦っているなんて俺も考えた事はないし、それを考え出すと戦えないから。


「大丈夫です……多分」


「それなら良いんだけどな。今では私なんかよりもずっと少年の方が強い。少年がいるから、私は北軍に戻ってみようと思えるんだ」


そんなに買いかぶらないで欲しいんだけどな。


俺なんて全然弱くて、日本刀が強いだけなんだ。


まるで俺自身が日本刀に操られているようで、葉山が妖刀だって言っていた意味が少し分かるような気がする。


「恵梨香さんがいないと俺は何をして良いかも分かりませんから。恵梨香さんがいなかったら、今頃俺はどうなっていたか」


「……もしかすると、南軍で名を轟かせていたかもしれないな。この街では強い事が全てだ。気に入らないやつは殺して、気に入ったやつを傍に置く事も出来ただろうな」


その光景をちょっとだけ想像してみた。


俺の隣には理沙がいる。


だけど……笑顔がない。


この街で権力が欲しいわけじゃないんだ。


元の世界で、くだらない事で笑ったり怒ったり。


俺が欲しいのは、そんな日常だった。