殺戮都市

「少年もなかなかやるじゃないか。私が慰めないとダメかと思ったけど……その心配もなさそうだな」


慰めないとダメなのかどうかは分からない。


だけど、決して大丈夫だというわけでもないんだけど。


「どうでしょうかね。これでも結構落ち込んでるんですけど」


彼女を殺してしまって、平気でいるやつなんているのだろうか。


この街でなら、その状況に陥るのはあり得ない事じゃない。


だとしても、それを平気で出来るようにはなりたくないな。


「……そうか。さて、これからどうするかだな。暫く東軍に留まるか、他所に移るか」


「そう言えば……南軍から東軍に移動する時に、やたら強い怪物と戦ったんですけど。下半身が獣みたいな、盾と槍を持ったやつと」


東軍に留まるなら、また遭遇する危険性は低いだろうけど、他の軍に行くと言うならあの怪物と出会う可能性がある。


「戦った?もしかしてそれに勝ったのか?」


「無理ですよ。あんなのに一人で勝てるやつがいるとは思えません。あれは……何なんですか?」


立ち止まった恵梨香さんに、俺も立ち止まって尋ねる。


メットのシールドが邪魔をして、どんな表情なのかは分からないけど、何となく悩んでいるんじゃないかなというのが分かった。