殺戮都市

仲間じゃないけど……敵だけど良いやつだ。


確かに優は全然納得してなくて、俺と会えば一緒に行くと言うだろう。


そう考えると、葉山の想いは理解出来た。


「じゃあ、約束します。二人にはもう会いません。そして、次にあんたに会った時は殺します」


俺の言葉に、葉山はニヤリと笑みを浮かべた。


「おう、強くなって、俺に殺されろよ。めんどくせぇけどな」


そう言って、俺の頭を叩いて皆がいる場所へと向かった。


葉山は冗談を言っているわけじゃない。


多分、次に会った時は本気で殺しに来るのだろう。


その凄みを……葉山の背中からは感じた。


俺も皆の所に戻り、ついに別れの時がやって来た。


亜美と優は寂しそうな顔をしているけど、こればかりはどうしようもない。


「では私達は行くとしよう。長居すると、いつ襲われるか分からないからな」


「ああ、あんまりうちの軍のやつらを殺してくれるなよ。防衛するやつがいないと、俺の仕事が増えるからな」


「善処してみよう。ではな、二人とも元気でいろ」


恵梨香さんが二人に手を振り、背を向ける。


俺もそれに続いて歩き出したその時だった。













「し、真治!!」












優が、俺の名前を叫んだ。