殺戮都市

「うおおおおおおっ!」


俺が気を抜いた途端、柱の陰から飛び出した一人の男。


手にはつるはしを持っていて、俺が油断するのを待っていたかのように。


僅かに、ほんの僅かに反応が遅れたけど、だからと言って致命的なミスにはなり得ない。


すぐさま男に詰め寄り、つるはしを持つその手を腕から切り落とした。


そして、頭部から下方に振り下ろす一撃。


男があっさりと床に崩れ落たと同時に、至る所から感じる殺気。


慌てて周囲を見回すと……弓を構えた人達が、俺に向かって矢を射っていたのだ。


逃げ場が……ない。


飛び退いても、屈んでも、どうあっても回避できるような数じゃない。


そう感じた俺は、咄嗟に鞘を空間から引き抜いて、四方から襲い掛かる矢に意識を集中させた。


大丈夫……明美さんのボウガンよりも全然遅い。


それに、俺を狙ったとはいえ、当たらない物もある。


それを見極めて、当たりそうな矢だけ叩き落とせば良い。


迫る矢を、日本刀とその鞘で次々と叩き落として行く。


日本刀が強化されていなかったら、こんな芸当は出来なかっただろう。


全く矢に反応出来ずに、身体を貫かれていたに違いない。