殺戮都市

優を離して上半身を起こして。


どれだけ寝たのか、左腕はすでに完治していた。


「この街だからじゃない。元の世界にいたら、真治とは一生会えなかったかもしれないでしょ?人を好きになるなんて理屈じゃないんだよ」


そう言って、顔を近付けて来る優。


言いたい事は分かるよ。


俺だって理沙を探そうとこの街に来たけど、結局のところ真剣に探しているわけじゃない。


きっと、拒絶されるのが怖いのか、前に優が言ったように他に男がいるのか……それを目の当たりにするのが怖くて、探そうとしていないんだ。


理沙と別れたくないという、俺のわがままで。


「優がそう言ってくれるのは嬉しいんだけどさ……今はやる事があるだろ。次もまた死ぬかもしれないし、そうなればまた南軍からやり直しなんだ。だから……」


はっきりと断らない俺は何なんだ。


「……分かってるよ。恵梨香さんを助けなきゃならないんだよね。じゃあ約束してよ。次にここに戻って来たら、今までのお礼はさせてね」


いつもとは違う優の眼差しに、俺は頷く事しか出来なかった。


恵梨香さんを助けてここに戻って、どんなお礼をするというのか。