殺戮都市

デパートの近く、二人がいるビルの部屋に入った俺は、真っ暗な部屋を見回した。


パッと見……二人がいる様子はないけど、気配がある。


「亜美?優?いないのか?」


小さな声でそう尋ねると……ソファの背もたれの裏から、二つの黒い山が。


「お兄……ちゃん?やっぱりお兄ちゃんだ!」


そう言って駆けて来たのは亜美だった。


嬉しそうに俺に抱き付いて、血塗れだってのに離れようとしない。


その背後で、両手を肩の高さまで上げて立ち止まっている優の姿。


「あー……お、おかえり真治。心配してたんだよ?何か、真治を殺したら恵梨香さんをどうとかさ……変な連絡入ったから。出て行ってから丸一日、あんた何してたの?」


やっぱりそれくらいの時間は経過してたのか。


「ゆっくり話すよ。だからとりあえず休ませてくれないかな?見ての通り、シャワーも浴びたいんだ、俺は」


「あんたまさか……恵梨香さんを見捨てて逃げたってわけじゃないよね?」


届いたという連絡、そして俺だけの帰還。


優が疑うのも無理はないけど、そうじゃない。


「俺は……殺されたんだよ。南軍からまたここまで移動して来たんだよ。恵梨香さんを助ける為に」