殺戮都市

写真が送られて来た?


端末にはそんな機能があるのか?


それにしたって、写真なんてどこで……もしかして、監視カメラから拾ったのか。


そうだとすると、俺は東軍の人間全員に顔を知られた事になる。


「おい、そこの真っ赤なガキ。ちょっと顔を見せてみろよ」


背後から掛けられた声に、俺はビクッと身体を震わせた。


どうする……騒がれないうちにここにいる全員殺してしまうか。


いや、でもそれだとこいつらが生き返った後、俺がここにいるという事を周りに伝えるかもしれない。


それなら……騒ぎは出来るだけ小規模の方が良い。


そう考えた俺は、男の声を無視して走り出した。


「あ!おい!やっぱりあのガキだ!!追え!」


「え!?何よ!」


状況が理解出来ていない人達を押し退けて、俺を追い掛けて来ているのが分かる。


追い付かれないように、次の交差点を左に曲がろうとしたら……その先にも人の群れ。


逃げ道は……大通りに続く道しかない。


「そのガキを捕まえろ!指名手配のやつだ!」


言わなくても良い言葉が背後から聞こえる。


こうなったら……一か八か大通りに出るしかない。


戦闘に発展するにしても、路地よりは戦いやすいだろうから。