殺戮都市

前回、バーコードと会った場所までやって来た。


だけど、今回はその姿はなく、どこかの建物に身を潜めているのだと言うのが分かる。


まあ、あのおっさんには助けてもらったけど、別に会いたいわけでもないから良いんだけど。


「もうここで良いですよ。これ以上行くと怪物に襲われるかもしれませんからね」


「真治君がそう言うなら……じゃあ、私が強くなった頃に迎えに来てね。あんまり遅いと、私が先にバベルの塔に乗り込むかもしれないよ?」


そんな冗談を言って、笑顔で手を差し出した奈央さん。


一瞬何だか分からなかったけど、握手かと思い、俺も急いで手を出した。


グッと、奈央さんの手を握り、放そうとした時……。

















ヒュンッという風切り音が聞こえて、奈央さんの胸から棒のような物が飛び出したのだ。


自分の身体で止まったそれを見て、奈央さんの口から血が溢れる。


「……ごめ……やっぱ……無理みたい……」


こんな時まで笑顔で……手を放そうとした俺は、慌てて奈央さんの身体を支える。


「何で……何で!!」


この棒は見覚えがある。


奈央さんを抱えて、今来た道の方に目をやると……ボウガンを構えた明美さんと斎藤、そして、路地からゾロゾロと出て来る手下達の姿が映ったのだ。