殺戮都市

二人を連れてビルに入り、新崎さんが殺されたあの部屋へ。


正直、あまり見たいとは思わない。


誰かが回収してくれていたり、怪物に喰われている方が、精神的には負担が少ないなと考えながら部屋の前。


部屋の入り口に倒れる新崎さんの身体は、まだそこにあったのだ。


「ここ……です」


俺がそう言うより早く、俺を押し退けて部屋に入る奈央さん。


「和馬……和馬!どうしてこんな……」


再会するまでは、平静を保っていたのだろう。


亡骸を見るなり涙声になり、それに駆け寄ったのだ。


啜り泣く奈央さんの声が聞こえる。


こんな時に、何て声を掛けて良いか分からなくて、俺はただ立っている事しか出来ない。


そんな俺に、再びボウガンが向けられた。


「奈央、もう良いよね……新崎さんをこんなにしたこいつを、私は許せそうにないよ」


結局……こうなるのか。


亡骸を見せても納得してもらえなくて、最初から俺を殺すつもりでここに連れて来させたんだ。


同じ軍だから仲間。


違う軍だから敵。


なんてルールがやけに虚しく思える。


今、俺にボウガンを向けている明美さんよりも、俺と一緒に歩いてくれた敵の恵梨香さんの方が、ずっと仲間だと思えるよ。