殺戮都市

葉山と斎藤は、タイプとしては正反対になるのかな。


そのスピードを防御に活かして、相手の攻撃を完全に封じる葉山に対し、斎藤は恐ろしい破壊力の拳を、反撃の隙を作れないくらいに打ち込んで来る。


どちらも恐ろしい相手だけど……葉山と比べたら、やれない相手じゃない!


「そろそろくたばれ!!クソガキッ!!」


チッと舌打ちをして、左のショートアッパーで刀身を殴り付けた斎藤。


その振動が伝わり、手をさらに痺れさせる。


まだ指は動くのか?


肘から先の感覚がなくなっているくらいに打ち込まれて、思わず確認の為に指を動かしてみる。


だけど……その行動がまずかった。


一瞬、意識が戦闘から逸れてしまった隙を突いて、斎藤が腰を落として右手を引いたのだ。


「砕け散れや!!」


言い終わるよりも早く、拳が俺に迫る。


力を込めた、渾身の正拳突き。


慌てて柄で受け止めようと、日本刀を動かすけれど……それは僅かに遅くて。


ほんの少し、軌道をずらす事は出来たけど、その拳は俺の左肩に直撃したのだ。


メキメキ……なんて生易しい音じゃない。


肩に爆弾でもあって、それが爆発したかのような破裂音が全身を駆け巡った。