殺戮都市

「靴を変えましょう。そんなヒールの高い靴で戦えるわけないでしょ?どうしてそんなの履いているんだか……」


「仕方ないだろう。この服に合う靴はこれしかなかったんだから」


そもそもその服が間違ってるんだけどね。


恵梨香さんなら、出来るOL風のフォーマルな服装を選ぶと思っていたのに。


まさかこんなフリフリの服だとは。


「スニーカーでしょ、戦うんだったら。それともブーツの方が良いです?」


「分かった分かった。自分で選ぶから、少年は自分の靴を選べ」


少しムスッとした様子で、他の陳列棚へと向かった恵梨香さん。


この人は本当に分からないな。


どうしてそんなに不機嫌になっているんだか。


買い物に来たわけじゃないというのは、恵梨香さんが一番分かっているはずなのに。


隣の陳列棚にある靴を取り、恵梨香さんはそれを履く。


その姿は、俺が知っているものではなくて……普通の女性。


この街に来なければ、戦いに巻き込まれることもなく、彼氏なんかとこうやって買い物に行ったりしてたんだろうな。


それは何も恵梨香さんに限ったわけじゃない。


俺も亜美も、優だって……いや、この街にいる全ての人間がそうなのだ。