殺戮都市

移動を始めて靴屋に差し掛かった時、話し声が店内から聞こえた。


「すぐに底がすり減っちまうんだよな。こんな事させられてるんだからよ、すり減らなくても良いじゃねぇか。なあ?」


「俺なんてよ、南軍の陣地で底がべローンって剥がれたんだぜ?踏ん張り効かねえっての」


声は……二人。


慌てて向かい側の雑貨屋に身を潜めた。


このデパートに巣食っている東軍の人間。


不意を突けば、二人くらいならやれそうだけど……失敗すればこのデパートにいるやつらに知れ渡る。


そうなれば、俺だけじゃなく恵梨香さんにまで危害が及ぶ。


このままやり過ごせるならやり過ごして、戦わない方が良いか。


そんな事を考えていても、靴屋から声は動かない。


別に金を払うわけじゃないんだろうから、どれを持って行っても良いだろ。


そう言えば俺は、ここに来てからずっと学校指定の上履きのままだ。


俺も靴を頂戴しようかな。


なんて考えていた時だった。















コツ……。





コツ……。
















俺が歩いて来た方から、小さな足音が聞こえた。