殺戮都市

「も、もっとそっち行けよ。俺にくっつくな」


「背中だけ、それなら良いでしょ?」


二つ合わせたソファの上、背中合わせに寝る事で何とか話を纏めた俺は、それでもドキドキしていた。


奈央さんと同じベッドで寝た時もそうだったけど、興奮していたら眠れない。


視界に入らないように、肌が触れないようにしたかったのに……優の背中はピッタリとくっついている。


「何でこんな事になってるんだか……ゆっくり眠らせてくれよ」


「ごめんね。でもさ、私の気持ちも分かってよ。真治が優しいから好きになっちゃったんだよ」


そう言われても……俺には彼女がいて、まだ俺の中では終わっていないんだよな。


こんな事をするくらいだから、そうなんじゃないかなとは薄々気付いてはいたけど。


「ごめん」


「即答しないでよね。だけど、それでもこうして一緒に寝させてくれるから優しいね」


そう……じゃないんだよ。


俺は断り切れないだけで、元の世界だと普通の事をしているだけ。


それで優しいと言われるなら、元の世界は優しさで溢れているという事になる。


離れろと言ったものの、背中に感じる優の温もりが少し心地良かった。