殺戮都市

何だ?


さっきと態度が全然違うな。


恵梨香さんがいる時は人を小馬鹿にしたような態度だったのに、今はそんな嫌な感じがない。


「まあ、慰めてくれるのはありがたいけど、そうならないようにしたいね、俺は」


その状況を想像すると情けない。


泣きじゃくる俺の頭を、優が優しく撫でる……と。


そんな恥ずかしい事になってたまるか。


「あ……でも良いんだ。てっきり断られるかと思ったけど」


少し照れたように笑う優。


まあ、本心では断りたいけど、断り切れないのが俺の弱い所なんだろうな。


イスに座った俺を、ニコニコしながら優が見ている。


あんな事をしたから怒って当然なのに、どうして笑ってるんだよ。


この街で今まで出会った誰よりも、何を考えているか分からない。


「何だよ……俺がそんなに面白いか?何で笑ってるんだよ」


「あは、元カレにも同じこと言われた事があるよ」


笑顔でジッと見られてたら、誰だって言うだろ。


まあ、怒っていないなら良かったけど……これはこれで居心地が悪い。


「俺を見るなよ。どうせ馬鹿な男だとか思って笑ってるんだろ?」


今の俺に言える精一杯の皮肉にも、優は笑顔を崩さなかった。