殺戮都市

恵梨香さんにしてみれば、東軍のキングは破壊すべき目標であって、破壊すれば元の世界に戻れる。


そう考えたら、バベルの塔に行くという選択肢も捨てて、元の世界に戻る道を選ぶかもしれない。


そうなれば……東軍の人間は全員死ぬ。


理沙も、亜美も、俺の学ランを持っている女の子も。


……ついでに優も。


「もしもキングを見付けても破壊なんてしないですよね?」


「言っただろう?私はバベルの塔に行く仲間を探しているんだ。わざわざ戦力を減らすような事をしてたまるか」


それを聞いて安心するはずなのに、逆に疑問だ。


どうして恵梨香さんは元の世界に戻る道を選ばないのだろう。


もしも俺が恵梨香さんの立場だったら、その気持ちは大きく揺らぐ自信があるのに。


「ねえねえ少年。あの人ずっとあんな話し方なの?ちょっとおかしんじゃない?」


「仲間を殺したやつと一緒にいるお前の方が、かなりおかしいと思うけどな」


「べ、別に良いじゃない。口だけの仲間より、あんたらの方が信用出来るって思っただけだっての」


自分の行きたい所に行くって言ってたのに、やっぱり俺達について来ていたんじゃないか。


まあ、そのおかげでこうして休める場所が見付かったんだし、文句は言えないけど。